5ft.magのウェブサイトを開いてから5か月ほどが過ぎた。その間に読者が投稿したフィルム写真は5,000コマを超えた。今回の記事では、そのなかから12枚を取り上げる。
まず選び方を記しておく。よく見られた順にも、反応のよかった順にも選んでいない。アップロードされた写真のなかから、異なる撮影者12人に1枚ずつを選び、光と季節と空間を手がかりに順番を決めた。12枚が5,000コマ全体を代表するわけではない。
写真の下に記したフィルムとカメラは、投稿の際に撮影者が自分で入力した値である。投稿された写真はフィルムカタログの該当フィルムのページにも並ぶため、この値は、ほかの読者にとってフィルムを選ぶ手がかりになる。写真の説明は、画面に見えるものだけを編集部が書いた。撮影者の名前を押すと、その撮影者が投稿した写真をまとめて見られる。
夜と明かり
夜の写真3枚から始める。雪の降る通り、長く流れる照明、ガラス越しの室内灯が順に出てくる。
いちばん上は @seongbokchoi の写真である。雪の降る夜、傘をさした人が店の前を歩いていく。白黒フィルムなので、店の明かりは色を持たず、明るさだけが残った。撮影者はこの写真に「천둥번개를 동반한 폭설이 오던 날.」と記した。
黒いニット帽をかぶった人がピンクのユリを顔の近くに掲げ、こちらを見ている。背後では照明が長く流れる。Cinestill 800Tはタングステン照明に合わせて色をつくったフィルムで、このように夜の人工照明の下でよく使われる。
ガラスの向こうの室内に暖かな光が広がり、そのなかに一人が座っている。ミノルタX-700にKodak UltraMax 400を入れて撮った。
動く瞬間
次の2枚は、体が動く瞬間である。サッカーの競技場とスケートパークだ。
ゴールキーパーが体を投げ出し、その前で二人の選手がボールに向けて脚を伸ばす。上から見下ろす位置なので、ゴール前の白い線が画面を横切っている。映画撮影用フィルムであるKodak Vision3 250DのAHU版を、キヤノンEOS 1に入れた。
スケートボードとともに、人が宙に浮いている。撮影者がつけたキャプションによれば、ノヘ近隣公園のスケートパークでテストライディングをしている場面である。ミノルタHI-MATIC AF2にFujifilm 200を入れた。
花の木と橋、大きな壁
今度は風景のなかの人である。この3枚では、人が風景に比べて小さく写っている。
ピンクの花が咲く木の下、公園に人々が集まっている。Kodak Gold 200で撮られていて、カメラは記入されていない。
木の枝越しに橋と小さな人々が見える。白黒フィルムのFujifilm Neopan Acros II 100を、ニコンFM2に入れた。
大きな建物の壁に沿って二人が歩く。Kodak ColorPlus 200をニコンF3 HPに入れて撮った。
壁の前で、海の前で
次の2枚は、何かに向き合う場面である。一つは展示室の壁、もう一つは海である。
展示室の壁を見つめる人々が、シルエットになって残った。ヤシカ635は、レンズが上下に二つ付いた二眼レフカメラである。
青い海の前にパラソルが二つ立っている。CANDIDO 800にコシナCX-2を使った。
横に長い2枚
最後は6x17判で撮られた2枚である。二人とも、カメラをFuji G617と記入した。120フィルム1本に4コマしか入らず、1コマの横幅は縦の3倍ほどになる。
上へ伸びる木々の間、葉の隙間から光が差し込む。Foma Ortho 400は、赤い光に反応しないオルソ(整色性)の白黒フィルムである。
さまざまな色のコンテナが何段にも積まれている。撮影者がつけたキャプションは「오쇠동」の一語である。5ft.magが先に取り上げたOptiColour 200は、120判が先に発売された。
むすび
12枚を並べてみると、フィルムもカメラも判型もまちまちである。同じフィルムは一度も重ならず、2回出てくるカメラは、6x17の2枚を撮ったFuji G617だけである。映画撮影用フィルムを入れた1980年代のオートフォーカスカメラもあり、カメラを記入していない写真もある。それなら、キャプションのフィルム名は何を伝えてくれるのだろうか。場面を説明してはくれないが、その場面をどんな道具でとらえたのかは伝えてくれる。次にフィルムを選ぶとき、この12枚のキャプションを一度のぞいてみるのもよいだろう。
1枚ずつ分けてくださった12人の方々に感謝する。今回掲載できなかった写真を投稿してくださった方々にも、同じ気持ちである。次の写真も待っている。投稿はホームの「+ 写真を投稿」ボタンからできる。