ハーマンがPhoenixを再発売します。2023年に出て、その後生産終了になったオリジナルのほうです。変わった点がひとつあります。箱に書かれる数字が200から125に下がるんです。

なぜ数字を下げたのか

ハーマンが挙げた理由は短いものです。みんながそうやって撮っていたから。

「Phoenix 125は、皆さんがオリジナルで気に入っていた(あるいは嫌っていた)特性をそのまま備えています。ただ、皆さんが実際にこう撮っていると教えてくださったとおり、感度を125に付け直しました」

Harman Photo

Phoenix 200を使った人はたいてい露出を多めにかけていました。100や125に設定して撮るとシャドーが残り、色も落ち着く。そんな声がコミュニティに積み重なっていたんです。ハーマンはその声を箱に反映しました。

箱の感度は誰が決める?

ふつうはメーカーが決めて、ユーザーがそれに従います。感度が気に入らなければ、ユーザーが自分で調整する。増感だの減感だのという言葉があるのはそのためです。

今回は順番が逆でした。ユーザーの露出のクセが積み重なって、製品の規格を動かしたんです。ハーマンのようにコミュニティと距離の近い会社だからできたことでしょう。

実用面での効果もあります。35mm版はDXコードが125で入って出荷されます。感度を自動で読み取るカメラに入れれば、もうユーザーが設定をいじる必要はありません。

ハーマン公式のグラフィック。Phoenix 125のパッケージの横に「changed the speed, not the attitude」という文句が書かれている。
ハーマンが発表に添えた文句。「変えたのは感度で、性格ではない」© HARMAN technology Ltd / HARMAN Photo. 報道目的の引用です。

フィルムそのものは変わらない

変わったのは感度だけです。高いコントラスト、粗い粒子、派手な色、光がにじむハレーションまで、オリジナルの性格はそのまま。好き嫌いがはっきり分かれた、あのフィルムです。

基本はC-41です。E6やECN-2でも現像できるとハーマンは説明しています。韓国国内でこの2つの処理を受けてくれるラボは多くないので、出す前に確かめておくといいですよ。

夜の街の看板を撮った作例。赤いネオンがにじみ、コントラストが強い。
ハーマンが発表とあわせて公開したPhoenix 125の作例。光がにじむハレーションがそのまま残っている。写真 Casey Thurman / HARMAN Photo提供。 報道目的の引用です。

Phoenix IIと混同しないように

ここで一度整理しておきましょう。いまハーマンのPhoenixは2つあります。

名前の似た2つのフィルム

  • Phoenix 125 · 2023年のオリジナルを復活させたもの。感度だけが200から125に変わった。荒々しい性格はそのまま
  • Phoenix II · 2025年に出た後継。ISO 200。色再現を整え、ベースを新しくした

世代の違う2つの製品が並んで売られることになります。荒々しいほうが好みなら125、整ったほうが好みならIIです。

2023年の発売当時のハーマン Phoenix 200の箱とパトローネ。 ハーマン Phoenix II 35mmの箱とパトローネ。
左が2023年のオリジナルPhoenix 200、右が2025年のPhoenix II。感度が変わったのは左の後身だ。© HARMAN technology Ltd / HARMAN Photo. 報道目的の引用です。

価格と韓国国内の事情

ハーマンは今回、カラーのラインナップ全体を値下げしました。ただし公表されたのはイギリスでの小売価格です。韓国国内での販売価格と輸入時期はまだ確認できていません。わかりしだい、この記事に追記します。

フィルムの値段は上がる一方の数年でした。値下げというニュース自体がめずらしいんです。